ピアノの音とは?
一般的な日本人のピアノを上手く弾けているか否かの判断基準は、指がどれだけまわるか、どれだけミスがなかったか、といった一目瞭然なことはないでしょうか。対して、一般的にフランス人ウケのするピアノパフォーマンスは「ピアノ」という楽器の音をいかに上手く引き出して演奏しているのか否かです。
確かに、指のテクニックやミスをしない集中力はピアノを演奏するうえで重要なポイントです。しかし、日本ではピアノもキーボードも同じ演奏をすれば良いと捉えている方がほとんどではないかと感じます。あるピアノ演奏を競うテレビ番組で、音楽家が判定した結果が、大半の視聴者の見解と異なり騒がれたことがありました。これは、まさに本当のピアノの音が知られていない日本の現状を浮き彫りにしたものだと思います。
ピアノには様々な音色があります。それを意識しないで演奏すれば当然、キーボードのような真っ平らな音にしかなりません。それはどんなにミスなしで、凄まじい速弾きを披露してもピアノを演奏しているとは言えないのです。普段からピアノの音を聴いていない人には、悲しいことにそれすらも気づけません。決してキーボードを責めているわけではありません。単にピアノとキーボードの演奏法は、全く似て非なるものということを多くの方に知ってほしいのです。
当教室では、レベルに関係なく初めのレッスンからピアノの音を聴く姿勢に注目していきます。ピアノの音が聴けるようになれば、どう演奏してピアノの良い音を出していくのかがわかってきます。まずは、ピアノの音の「色」を感じることから一緒に始めていきましょう。そして、ピアノはキーボードと一緒ではないことを、あなたの演奏を通して広めてください。
バンビコース